5月のコラム

心を労わる(いたわる)

オンライン・セルフケア相談を始めて、画面越しに、おなじみの方、初めての方、思いがけずさまざまな方とお会いしています。

このごろ、よく眠れなくて、というご相談が続きました。
どうしてこんなに。
テレワークや外出自粛のせいなのか、潜んだ不安のせいなのか、気候のせいなのか…。

睡眠へのアプローチは(睡眠も、かな)一筋縄では行きません。

睡眠障害のタイプもいろいろ。
睡眠が関わっているとは自覚されていない症状もある。
なかには専門の医療機関受診をお勧めするべき症状もある。
体内時計、自律神経、内分泌、栄養…。
関わっている要因も多い。

まずはキケンな症状はないか、推察される隠れたことはないか、どんな要素が関わっていそうか、どこへ向かって、どこからお手入れができそうか。

対話しながら、最初の一歩をご提案して、やってみようと思われたなら、しばらく試していただくのですが、提案することは、お一人お一人、違います。

たとえば、お灸のツボを提案するときでも、定番の不眠のツボをお勧めすることもあるし、こわばりの軽減からかなと考えること、経絡へのアプローチを考えること、自律神経へのアプローチを考えることもあります。

3月のコラムでご紹介した「肝」の働きを高める「太衝(たいしょう)」も、眠りを調えるツボの一つでした。

そして、場合によっては、こんなツボをお伝えすることも。

「労宮(ろうきゅう)」
てのひらのくぼみのあたり。経絡では心包(しんぽう)経。
労わる(いたわる)という字のとおり、疲れた心を落ち着けてくれる、ほっとするようなツボです。

私たちの仕事は、大勢に一斉に届けるような効率のよいものではありません。一人一人とお話しして、一筋縄ではいかない、その人・その時のありように寄り添うような関わりです。
そんな顔の見える対話の時間もまた、心を労わり、身体を調える助けを手渡せるものでありますように。

5月の薬膳茶

薬膳茶専門店citrusです。
5月5日は「立夏」。暦の上では夏ですね。
植物の芽が出て、花が咲いて、新緑も青々としてきました。自然界の「気」はいつも通り、のびのびと巡っています。
人間界の「気」。今年はのびのびしていません。人間も自然の一部なので、本来なら、自然と同じように、芽が出たり花が咲いたりする=やる気に満ちている、新しいことを始めたい!という時を迎えているはずです。
ところが今年は…やる気に満ちるどころか、鬱っぽいとか、イライラするという方のほうが多いかもしれません。「不自然」な状況が続いていますので誰でもこういう気分になりがちなのは、当たり前のことだと思います。
ただ、先が見えない状況でも、自然界にフィットした自分でいたいな~と思います。そのヒントを少しご提供できればと思います。
薬膳の考え方ですと、気を巡らせるのは「肝」の力で、「肝」は血がないとうまく働けない臓です。鬱っぽさもイライラも、「肝」の血の不足・気を巡らすパワーの不足が関係しています。
まずは、肝のためにタダでできること。それは早寝です。12時前の睡眠を少しでも多くとりましょう。
食べ物では、まずはクコの実ですが、鬱っぽい方は、なつめや竜眼肉もおすすめです。イライラしたり、気持ちがあっちこっちに行ってしまうという方は、アサリなど貝類がおすすめです。貝類は、缶詰ではなく、貝殻ごと汁物に入れて煮ると、なお良いです。(例えば牡蠣の殻は生薬です。熱を冷まし、気持ちを落ち着かせてくれます。)
玫瑰花やジャスミンなどの香り高いお茶もおすすめです。お茶でリラックスできるひとときを作ることも大事です♪

旬のものから命をいただく~5月をハッピー気分で過ごす食材〜

 暖かくなり、新年度、新学期、新しい生活が始まる春、環境が変わり、緊張の連続する中5月のゴールデンウイークを迎えちょっとほっとした頃に出てきがちな五月病。今年は新年度が始まることなく5月を迎えました。違った意味での環境の変化に疲れも出てきています。けれども、そんな時期でも旬のあいつは黒潮に乗ってやってきてくれるでしょう。

さて、5月病のように環境の変化に適応しづらい頃に出てくる不調には脳内神経伝達物質「ドパミン」「ノルアドレナリン」「セロトニン」が深く関係するといわれています。

その中の「幸せホルモン」と言われるセロトニンに注目してみましょう。

セロトニンはポジティブで精神を安定した状態に保つ働きがあります。これを増やすには・早寝早起き・太陽光に当たる・適度な運動・大声で笑ってみる・などの方法がありますが、セロトニンのもととなるものを食べ物からとってみたいと思います。

セロトニンのもととなるのは必須アミノ酸のトリプトファンです。摂取されたトリプトファンは脳に運ばれビタミンB6、ナイアシン、マグネシウムとともにセロトニンを作ります。そんなセロトニンを作るための栄養素を含んでいるのが「かつお」です。カツオには筋肉を作る良質なたんぱく質が豊富に含まれているほか、疲労回復や神経に作用するビタミンB群、骨粗しょう症を予防するビタミンD、血液をサラサラにするEPA,などが含まれています。カツオの旬は新緑のころの初鰹と秋の戻り鰹の2回あります。味の良さなら初鰹、栄養面では脂ののった戻り鰹と言われています。鰹は竜田揚げやソテー、たたきをポン酢や旬の春キャベツやソラマメとマヨネーズに和えたりしてもおいしくいただけます。

気持ちが内向きになるこの頃、イワシを追って北上してくるカツオを想像してみてください。元気が出てきませんか。こうして楽しいことを想像してセロトニンを増やしていけるといいですね。

やっぱり旬のものはすごい!

◆美事の旬菜レシピ◆


『旬のあさり×春キャベツ×豚バラの旨煮』です。
わが家では、通称『潮干狩り』と呼ばれている人気のメニューです❣️
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『風そよぐある春の日、ブタさんがキャベツ畑を通って潮干狩りに行きましたとさ🥬』
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🌿材料🌿
あさり  300g
キャベツ  150g
豚バラスライス 150g
にんにく  2片
酒  100cc
オイル  大匙1/2
塩  少々
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🌿準備🌿
あさりは砂抜きしてよく洗う
キャベツは3×3㎝のざく切りにする
豚バラは3㎝幅にカットする
にんにくは芽を除きスライスする
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🌿作り方🌿
①あさりと酒を鍋に入れ酒蒸しにする
②フライパンにオイルとにんにくを入れ、香りがでたら豚バラと塩を加え炒める
③肉の色が変わったら、キャベツを加え、さっと炒める
④②のフライパンに①の酒蒸しを加え1分ほど中火で煮る
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🌿ポイント🌿
調味料は塩少々のみ!
つゆだくに仕上げているのは
ごはんにかける為です🍚
ぜひお試し下さいませ❣️